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喋らない二人

  • 執筆者の写真: さちこ さとう
    さちこ さとう
  • 2018年6月15日
  • 読了時間: 3分

最近観た映画。

Lovingという当時アメリカの幾つかの州で違法とされてた異人種間結婚が、アメリカ全土にて合法となるきっかけを作った夫婦のお話。

社会派な内容を含みながらもとても美しいラブストーリーでした。

映画としては夫役の俳優さんがイケメンでない(そしてお尻の大き目のムチムチ系)という時点で、とてもリアリティーのある内容となってる(笑)なぁという、、、(奥さん役の所有さんは綺麗な人でした)

なかなか地味な話の展開に最初はう~んちょっとつまんないかも、なんて思っていたのですが、徐々に話に引き込まれ、観終わった後には、お腹の深~い部分に静かなでもしっかりとした揺さぶりを感じるような、そんな映画でした。

とっても印象的だったのは、この主役の二人がとにかく喋らない。

特に旦那さんの方は、とてつもなく理不尽な押し付けに対して文句も言わないし、防げなかった困難に対して言い訳もしない。

そして奥さんの想いをどうにか叶えようと必死で行動するのです。

とにかくかっこいい(見た目のムチムチ感を払拭するほど)。

そして奥さんも喋らない。 辛い状況で嘆きはしても、それこそ旦那さんをなじったり、文句言ったり、あなたのこういうとこが嫌なのよ〜〜なんてこと言ったり、しない。 理不尽を飲み込みながら、静かに、でもしっかり寄り添いながら前へ進んでいくのです。 その様子はとても健気。

映画の中の二人のやりとりは喋るだけがコミュニケーションじゃないことを教えてくれます。

もうわたし喋るのよそう、と思うほど(無理?)。

で、面白かったのは後半この異人種結婚をすべての州で合法化させようという人たちが出て来た時に、それまでどちらかというと消極的だった奥さんがその取り組みに意欲的に賛同するのです(それでもやはり喋らないですけど)。

そこから奥さんはただ守られてる立場から、能動的な強さを持った女性に変わってくのです。

旦那さんの方はというと逆に消極的になっていく(さらに喋らない)。

自分たちの立場が改善されるのは嬉しいけど、家族の生活の中に不特定多数の他人が介入してくるのはいや、世間の晒し者になるのはごめんだ、みたいな。

そこに見たのはそれぞれの強さ(かっこよさ)と弱さ(可愛らしさ)でした。

始まった頃の男性の大事な女性を守ろうする強さ。

後半の女性の世界の同じ立場の人たちを思う強さ。

それは優劣ではなく質の違う強さと弱さであって、男女というのはお互いにその部分を補い合っていったらよいのだなぁ。

なんて全く補う気のなかった過去の自分を振り返りつつ(笑)思ったのでありました。

でも何より、この映画においてのラブスートーリーとしての美しさは、惹かれ合った二人が、その最初の純粋な想いに光を当て続けてる様子が描かれてるところなんだろうなぁと、

普遍的な愛の物語。

愛は普遍的。

永遠のテーマなのでした。

そして私のテーマは静かに(あまり喋らない)なること。


 
 
 

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